エリートぼっちが育児中のようです(´・ω・`)

ぼっち母の育児日記、映画のこと、自分のこと。

「セッション」 えいがのかんそうぶん

セッション
原題は作中で演奏される曲名Whiplash

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https://youtu.be/mZjUEIV2Ru4



監督、脚本はデミアン・チャゼル(Damien Chazelle、1985年1月19日 - )アメリカ合衆国の映画監督・脚本家。監督第2作となる『セッション』が非常に高い評価を得た




公式サイトよりあらすじ

名門音楽大学に入学したニーマン(マイルズ・テラー)はフレッチャー(J・K・シモンズ)のバンドにスカウトされる。
ここで成功すれば偉大な音楽家になるという野心は叶ったも同然。
だが、待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取りつかれたフレッチャーの常人には理解できない〈完璧〉を求める狂気のレッスンだった。浴びせられる罵声、仕掛けられる罠…。ニーマンの精神はじりじりと追い詰められていく。
恋人、家族、人生さえも投げ打ち、フレッチャーが目指す極みへと這い上がろうともがくニーマン。しかし…。


以降はネタバレを含みます。













音楽がめちゃくちゃかっこいい。ジャズってあまり聴いたことなかったけどすごくいい、サントラ欲しいよおお!ドラムやベースが強くてぞわぞわするし管楽器のかっこよさ!大会中のトロンボーンソロがもうもう・・・映画館で観たかった・・・大音量で聴きたい。
全体的に画面が暗いのも好み。ニーマンとドラム、それだけの部屋。ドラムだけが全て、だから全てをドラムに打ち込む。


ニーマンや他の生徒を怒鳴り散らし殴り泣かせる鬼教師フレッチャー。暴言を飛ばして椅子も飛ばして手だって出ますが優秀な人のようです。元教え子の死に涙する人間らしい姿もみせますが、その後の練習ではその涙は一切引きずることなくブチ切れ。ものすごく切り替えが早いです先生。
私の周りだけでしょうか・・・アーティスト系の顧問の教師っていうのは、熱心で怖くて、ちょっと変わっている方が多かった気がします。
中学生時代の吹奏楽部顧問、高校生時代の演劇部顧問、劇団の監督、美大予備校の教師、みんな怖かったなあ。特に演劇部の教師は今でもしっかり思い出せるくらい。
暴力はなかったけど、目力で刺して声と言葉で殺すような人だった。人格否定なんて当たり前、大会前は毎日怒鳴られて毎日泣いていた。辛くて怖くて、その時は1日でも早く終わらせてしまいたかった。しかし先生の指導のおかげで、ブロック大会、県大会を勝ち進み気づけば関東大会。そこで私が辛い気持ちに勝って、努力できていたら、もっと高いところにいけたんだと思う。
でも私は逃げてしまった。練習を怠けたわけじゃないけど、終わらせたいなんて思っている気持ちで勝ち進める場所ではなかった。
あの先生は、ずっと全力で私たちに向き合ってくれていた。私たちを成長させるために、毎日怒鳴って、部活だけでなくその後の人生のために指導してくれたんだと、何年も経った今だから思える。


この映画のフレッチャーも、ニーマンに才能を感じたからこその鬼指導で、そしてニーマンはフレッチャーの指導で天才の域に踏み込めたのだ。やりすぎなところはあるけれど、ツンツンヤンデレ教師とコミュ障青年の心暖まるお話だな~と(^ω^)

親戚たちも、やさしい父親すらも、誰もニーマンを認めてくれなかった。父親は優しいから、他の道もあるよなんて、言ってくれるけど自分にはドラムしかないと思い込むニーマン。
フレッチャーだけが彼の才能を見つけてくれた。
ビンタされても、罵倒されても、自分の居場所はそこにしかなくて、否、そこにつくりたかった。
天才と呼ばれる人間は決して挫折しない。何があったとしても、決して。
自分自身の才能なんて、自分ではどれくらいなのかわからないし、信じる事は難しいと思う。でもそれを見つけて、信じて育てられる人が側にいたら、それは凄くラッキーな事なんだろうな。


ラストのニーマン独奏。ニヤニヤ笑うフレッチャーはすごく楽しそう。あんな所に立てたら気持ちいいんだろうなあ~。
努力、狂気、根性、メンタルのぶつけ合い。
かっこいい映画だったなあ。
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